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📖 コラム:犬猫の分子栄養学

犬・猫のための分子栄養学を綴っています。

犬・猫の分子栄養学についてまとめたコラムページです。フェレット専門の内容はフェレット分子栄養学のコラムをご覧ください。個別記事はnoteで公開しています。

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アブラの話

油には2種類あります。常温で固体のものと液体のもの。専門用語でいうと飽和脂肪酸・不飽和脂肪酸ですが、まずはイメージで捉えてもらえればと思います。形状が違うということは、性質も様々で、体の中で働く場所も機能も違います。必要な油脂の種類と量は、一生涯で一定ではありません。

過熱して作るドライフードは油脂の劣化もあります。開封後、日数が経過するとそれだけで酸化した油脂を与えることになりかねません。そう考えると、個人的にはドライフードを与えている時には、油脂は別に補給した方がいいかなーと考えています。もっとも、製品によっては過熱加工後に油脂を噴霧したり、個包装で酸化を抑制しているものもあるので、何を与えるかという条件で選択肢は変わってきます。

油脂の問題で言うと、私は涙・毛・白内障・アトピー性皮膚炎の問題に、油脂の過不足が関係していると推測して、健康相談時には考慮のポイントにしています。

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タンパク質

タンパク質というのは、アミノ酸のうち20種類で構成している成分です。レゴブロックのようなアミノ酸は、一旦何かのタンパク質の素材として利用され、一定期間が過ぎると分解し、また再利用される性質を持っています。この「再利用される性質」は着目点です。

2005年からアミノ酸について学び、分析や血液データを読んでタンパク質の体への影響を見てきました。知らず知らずに体にダメージを与えている食べ方をしている家庭が多いというのが実感です。食べ方をちょっと減らせば血液データの負荷指標が下がるケースを見てきました(あくまで栄養面からみた傾向であり、病気の治療を意味するものではありません)。逆にタンパク質摂取が足りていない子が血液データに出ているのに、そのままで致命的な状態になっている子も多くいました。タンパク質は安全なように思える成分ですが、20年の経験で感じているのは「食べ方を注視しないといけない」ということです。

なお、アミノ酸は20種類がタンパク質を構成していますが、アミノ酸そのものは300種類あります。ペット製品のタンパク質表記は純粋なタンパク質の比率ではなく、製品中の窒素量から計算した「粗タンパク質」という比率です。猫で重要なタウリンは、タンパク質を構成するアミノ酸でもなく、そもそもアミノ酸ですらない、窒素を含む成分ですが、非常に重要な成分です。

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糖質

砂糖やお米のデンプン、飴の麦芽糖などの成分で、人間で言うと熱源の第一位になりますが、フードのパッケージには表記されていません。これは、パッケージに表記されている粗タンパク質・脂質・ビタミンミネラル・繊維質・灰分・水分の合計値を100から引いた数値が糖質だからです。小麦やトウモロコシ、米など糖質を含む原料を使っているので糖質が含まれているのは分かりますが、数値として表に出ない理由はここにあります。

猫は唾液の糖質分解酵素(アミラーゼ)がないため、デンプンの消化があまり得意ではありませんが、分解をあまりせずに血液に入っていく小さな糖類は吸収できます。デンプンは加熱してα化(消化できる形状に変化)しない限り、動物は利用できません。生のデンプンは「ゼロカロリー」ですし、お米を炊いて冷や飯にするとデンプンが劣化し消化しにくくなります。原材料中に見えるデンプンが利用できるかどうかは、製品ごとに違うため、パッケージの表記だけでなく評価が必要だと考えます。

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ビタミン

ビタミン・栄養素の概念は動物ごとに違います。一般栄養学のビタミンや栄養素は人間の物を指していることが多いのですが、摂取しないと体の機能を保てない成分が栄養素なので、ビタミンCを体内で作れる犬にとってはビタミンCは栄養素ではありません。人間はビタミンCを作れないので必須栄養素になっています。同じように、猫にとってはタウリンが栄養素になりますが、人や犬は摂取しなくても何とかなるため栄養素の区分にはなりません。動物ごとに特別必要になる成分は、今後も見つかってくるかもしれません(猫のタウリン問題が分かってきたのは1980年代のことです)。

もう一つ、猫はカロテンからビタミンAを作り出せません。人間や犬は、ビタミンAが十分にあればカロテンからビタミンAを作り出さない仕組みがありますが、猫はそもそもその変換ができないため、カロテンが入っていても利用できません。猫の栄養設計では、この点を考慮する必要があります。

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ミネラル

ミネラルは、カルシウムのように沢山必要な種類と、レアアースのように本当に少量必要な種類に分かれます。血液データではカルシウム・リンと、電解質系のカリウム・ナトリウム・クロールがあります。酵素を作る材料になったり、クロール(塩素)は胃酸(HCl)の素材になったりと、多様な役割があります。健康状態と大きく関係するため、病気をしたときにはミネラルの必要量を食生活から推測していきます。製品ごとにどれだけ足りていて、足りないのかという傾向も、情報を集めれば見えてきます。

ミネラルは利用効率が非常に細かく分かれます。同じ亜鉛でも酸化亜鉛とグルコン酸亜鉛、鉄でも酸化鉄と硫酸第一鉄では違ってくるので、そうした違いも意識する必要があります。

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抗酸化

抗酸化というのは、活性酸素に対応する力のことです。酸素の約2%は電子的に不安定になり、電子を奪って自身を安定させようとします。これがいろいろな病気に関わっていると言われていて、人間の健康と同じ仕組みです。

2000年から、活性酸素について意欲的に調べてきました。活性酸素の処理能力のMD検査をしながら栄養管理を繰り返す中で、種族ごとに病気が増えるのは、この抗酸化力の低下が関係しているのではないかと考えています。人間でも40歳くらいから癌年齢と言われるように病気が起こりやすくなりますが、これは抗酸化のために体が作る酵素の製造量が下がり始めることと関係していると言われています。酵素が減ると、活性酸素にビタミンC・カロテン・Eなどが電子を渡して消費され、栄養需要が増えて不足しだすと病気になっていく……これが、抗酸化と病気が出る年齢の関係についての私の考えです。ナルヘソは、この抗酸化を意識した配合で提供し始めました。

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シニアの対策

抗酸化の話からも分かるように、4歳を超えるシニア期にはそれまでとは栄養消費のバランスが変化します。消費が増える栄養素と、それほど消費が変わらない栄養素とに分かれ、必要な栄養素は個体ごとに違いますから、その子に合わせた栄養管理が大切です。

以上、簡単に犬猫の分子栄養学を紹介しました。すべてが正しいとは思っていません。情報も時間とともに変化するからです。その時々の経験から、このように考えているということを文章にしています。誤りがあればその都度修正して、よりよい健康のお役に立てればと考えて続けています。お困りでしたら、早めに健康相談をお申し込みください。一緒に考えて、何か方法があるのか探ってみましょう。

🌟 みんなげんきになーれ!(2000年くらいからずっと使っている合言葉です)

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